健診で脂質の異常を指摘されたら、早めに原因を確認して対策を始めましょう
「健診でコレステロールが高いと言われたけれど、症状がないから大丈夫」と思っていませんか? 脂質異常症は自覚症状がないまま動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高めます。早めに数値を把握し、適切な対策を始めることが大切です。
このような症状はありませんか?
脂質異常症はほとんどが無症状ですが、以下の状況に当てはまる方は一度ご相談ください。
- 健康診断で「LDLコレステロールが高い」と言われた
- 中性脂肪(TG)が高く、再検査を勧められた
- HDL(善玉コレステロール)が低いと指摘された
- 食事を気をつけているのに数値が下がらない
- 40〜50代になって脂質の値が悪くなってきた
- 動脈硬化や心筋梗塞のリスクが気になる
- 糖尿病・高血圧もあり、生活習慣病をまとめて管理したい
- 家族に若くして心筋梗塞・脳卒中になった人がいる
自覚症状がないまま進行するのが脂質異常症の特徴です。健診結果が気になる段階で早めにご相談ください。
原因について
LDLコレステロール・中性脂肪が上がる原因を整理します。
食生活
脂っこい食事・揚げ物の多い食事でLDLが上がりやすく、甘い飲み物・ジュース・アルコールで中性脂肪が上がりやすいとされています。
遺伝(家族性高コレステロール血症)
LDLが非常に高い場合、遺伝的要因(家族性高コレステロール血症)が関係していることがあります。若くても動脈硬化が進みやすいため注意が必要です。
生活習慣
運動不足・肥満・睡眠不足・慢性ストレスは悪玉コレステロール(LDL)を上げ、善玉(HDL)を下げる原因になるとされています。
他の病気
糖尿病・甲状腺機能低下・肝臓病・腎臓病でも脂質が上がりやすくなることがあります。これらの病気も合わせて評価することが大切です。
診断方法
血液検査を中心に、背景となる病気も合わせて確認します。
脂質4項目の血液検査
LDL・HDL・中性脂肪(TG)・Non-HDLコレステロールを評価します。空腹時(食後10〜12時間以上)の採血が正確な数値の測定に役立ちます。
その他の血液検査
HbA1c(糖尿病の確認)・甲状腺ホルモン・肝機能・腎機能を確認します。脂質異常症の背景となる病気も評価します。
血圧・BMI・腹囲測定
生活習慣病の総合評価を行います。
必要時:心電図・心エコー
動脈硬化の進行を確認するために行う場合があります。
当院での治療
脂質異常症の治療は「生活習慣の改善」と「必要に応じた薬物治療」が中心です。
食事改善
LDLには揚げ物・バター・菓子パンを控え、魚・食物繊維(野菜・海藻・豆類)を増やすことが有効です。中性脂肪にはアルコール・甘い飲み物・夜遅い食事・糖質の量を調整することをお勧めします。
運動
ウォーキング・ジョギング・自転車など有酸素運動が特に効果的です。1回30分、週3〜5回を目標にします。
薬物治療(必要な場合)
- スタチン系:LDLを強力に下げ、心筋梗塞の予防効果が高い
- フィブラート系:中性脂肪が高い場合に効果がある
- エゼチミブ:コレステロールの吸収を抑える
- PCSK9阻害薬:難治性の高LDLに使用する注射薬
「必ずコレステロールが下がる」という保証はできませんが、数値やリスクに応じた最適な治療をご提案します。
治療期間・通院の目安
脂質異常症は継続的な管理が必要な状態です。
- 生活習慣の改善のみの場合:数週間〜3ヶ月で数値の変化を評価します。
- 薬物治療を開始する場合:1〜2ヶ月後に血液検査で効果を確認し、用量を調整します。
- 数値が安定したら:2〜3ヶ月に1回の定期通院で経過観察します。
- 生活改善で数値が改善した場合:医師の判断のもとで薬を減量できることがあります。
自己判断での服薬中止は数値の急上昇を招くことがあります。必ずご相談ください。
放置するとどうなるか
脂質異常症を放置すると動脈硬化が進み、以下のリスクが高まります。
- 心筋梗塞:胸の圧迫感・痛み・息苦しさ、命に関わる緊急疾患
- 脳梗塞:手足のしびれ・言語障害・意識障害
- 脳出血:突然の激しい頭痛・半身麻痺
- 閉塞性動脈硬化症:足のしびれ・痛み・壊疽
- 急性膵炎:中性脂肪が極度に高い場合(500mg/dL以上)
動脈硬化は症状が出る前から静かに進行しています。定期的な数値確認が予防の第一歩です。