「突然ドキドキして、急にぴたりと止まる」——WPW症候群・房室結節リエントリー頻拍とは
発作性上室頻拍(PSVT)は、突然始まり突然止まる頻脈発作で、若い方にも多い不整脈です。脈が150〜200回/分になりますが、多くは命に関わりません。繰り返す場合や症状が強い場合は、カテーテルアブレーションで根治が期待できます。動悸発作が繰り返す方は、東静岡たけもと内科へご相談ください。
このような症状はありませんか?
以下の症状がある方は、PSVTの可能性があります。
- 突然、脈が速くなり(150〜200回/分)、急に止まる
- 発作は数分〜数時間続く
- 発作中はドキドキ感・息苦しさ・頭がふらふらする
- 運動・ストレス・カフェインで誘発されやすい
- 首の血管がドクドク拍動する感じがある
- 若い頃から繰り返している
- 迷走神経刺激(深呼吸・息こらえ)で発作が止まることがある
PSVTは若年女性に多いとされますが、年齢・性別を問わず起こります。
PSVTの種類と原因
PSVTはいくつかの種類に分類されます。
房室結節リエントリー頻拍(AVNRT)
最も多いタイプ。房室結節内の2本の伝導路(速い路と遅い路)を電気が循環することで頻拍が起きます。
房室リエントリー頻拍(AVRT)・WPW症候群
生まれつき余分な伝導路(副伝導路・ケント束)がある場合に起こります。心電図でデルタ波が見られることがあります(WPW症候群)。
洞結節リエントリー頻拍・心房頻拍
やや少ないタイプ。心房内の異常な電気の旋回が原因です。
誘因
カフェイン・アルコール・睡眠不足・ストレス・過労などが発作の誘因となりやすいです。
診断方法
PSVTは発作中に心電図を記録することが診断の基本です。
発作中の心電図(12誘導)
発作中は特徴的な狭いQRS波の頻拍が記録されます。発作が止まってからの心電図が正常でも、WPW症候群ではデルタ波が残ります。
24時間ホルター心電図
日常生活中の発作を捕捉します。発作の頻度・持続時間・心拍数を記録します。
電気生理学的検査(EPS)
専門施設でカテーテルを使って不整脈のメカニズムを詳しく調べる検査です。アブレーション前に行います。
当院での治療
PSVTの治療は、発作を止める治療・繰り返しを防ぐ治療の2段階です。
迷走神経刺激(応急処置)
息こらえ(バルサルバ法)・冷水を飲む・咳をするなどで発作が止まることがあります。病院では頸動脈洞マッサージを行います。
薬物療法(発作止め・予防)
アデノシン(注射)・カルシウム拮抗薬・β遮断薬などを使います。発作の予防薬として内服することもあります。
カテーテルアブレーション(根治治療)
発作を繰り返す方や症状が強い方には、カテーテルアブレーションをお勧めします。AVNRT・AVRTでは成功率90%以上と高く、根治が期待できます。専門施設へご紹介します。
治療期間・通院の目安
- 薬物療法開始後:2〜4週間で効果確認
- アブレーション前評価:2〜4週間
- アブレーション入院:2〜4日程度
- 術後外来:1か月、3か月、6か月
アブレーション後、再発がなければ薬の中止も検討できます。
放置するとどうなるか
PSVTそのものは多くの場合、生命に直接危険ではありませんが、放置することのリスクがあります。
- 発作が頻回になり、日常生活・仕事・運転に支障が出る
- WPW症候群では、心房細動が合併すると危険な頻拍になるリスクがある
- 長期の頻拍が続くと頻脈誘発性心筋症(心機能低下)になることがある
- 発作中の失神で、転倒・事故のリスクがある
「繰り返す動悸発作」は根治できる不整脈である可能性があります。