「急に目の前が暗くなった」「気がついたら倒れていた」——心臓からのサインかもしれません。
失神とは、一時的に脳への血流が低下することで意識を失い、その後自然に回復する状態です。
失神の多くは反射性失神や血圧低下などによるものですが、中には脈が極端に遅くなる、あるいは速くなる不整脈が原因となる「心原性失神」があります。
特に、前触れなく突然倒れた場合、運動中に失神した場合、動悸や胸痛を伴う場合には、心臓の病気が隠れていないか確認することが重要です。
失神・めまいの主な原因
反射性失神
長時間の立位、痛み、緊張、排尿・排便などをきっかけに血圧や脈拍が下がり、一時的に意識を失います。
比較的よくみられるタイプです。
起立性低血圧
立ち上がった際に血圧が低下し、目の前が暗くなったり、ふらついたりします。
脱水、降圧薬、加齢、自律神経の異常などが原因になります。
徐脈性不整脈
洞不全症候群や高度房室ブロックなどにより脈が極端に遅くなると、脳への血流が低下し、失神することがあります。
頻脈性不整脈
発作性上室頻拍、心室頻拍など、脈が突然非常に速くなる不整脈でも血圧が低下し、失神することがあります。
心臓以外の病気
貧血、低血糖、脱水、脳神経疾患、耳の病気、薬剤など、さまざまな原因があります。
当院での精密検査
東静岡たけもと内科では、失神した状況や前後の症状を詳しく伺い、心臓・血圧・全身状態のどこに原因がある可能性が高いかを確認します。
12誘導心電図
徐脈、房室ブロック、心房細動、QT延長、WPW症候群など、不整脈の原因となる心電図異常を確認します。
ホルター心電図
日常生活中の心電図を長時間記録し、めまい・動悸・失神に関連する不整脈がないかを確認します。
心エコー
心機能、弁膜症、心筋症、心肥大など、失神の原因となり得る構造的心疾患を評価します。
血圧測定
必要に応じて臥位・座位・立位で血圧を測定し、起立性低血圧の可能性を確認します。
血液検査
貧血、低血糖、電解質異常、甲状腺機能異常、脱水などを確認します。
当院での治療方針
原因によって治療は大きく異なります。
反射性失神・起立性低血圧
水分摂取、生活上の注意、原因となる薬剤の調整などを行います。
徐脈性不整脈
症状と徐脈の関連を確認し、ペースメーカー治療が必要な場合には専門施設へご紹介します。
頻脈性不整脈
不整脈の種類に応じて薬物療法やカテーテルアブレーションなどを検討します。
治療期間・通院の目安
- 初診:心電図・血圧・必要な血液検査
- 不整脈が疑われる場合:ホルター心電図
- 心疾患が疑われる場合:心エコー
- 原因が特定できた場合:疾患に応じて定期フォロー
- 原因不明の失神を繰り返す場合:専門施設での追加検査を検討
放置するとどうなるか
反射性失神など生命に直接関係しないものもありますが、心原性失神の中には重要な不整脈や心疾患が隠れている場合があります。
特に失神を繰り返す場合には、転倒による外傷にも注意が必要です。
「一度だけだから大丈夫」と判断せず、原因不明の失神は一度評価を受けることをお勧めします。